この作品のウマ娘達に起きる出来事はifを混ぜながらも基本的には史実をなぞっていて、どうしてもモデルとなった競争馬達を重ねて見てしまう。サイレンススズカに海外遠征の期待がかかっていたのも事実。運命の天皇賞のその日まで穏やかな場面が続くが、見ている方は不安が増すばかり。温泉宿なのに入浴シーンがないのも、そんなことに時間を割く余裕がないのだろう。
当然のように到来する骨折の場面。だがここでトレーナーがサイレンススズカの左足を地面に着けさせないようスペシャルウィークに指示を飛ばす。史実のサイレンススズカにもしこの処置が取れたら助かっていたかは分からないが、この処置の元ネタであるカリズマティックは騎手が下馬して骨折した足を支えることで悪化を防いだ。ボルトを埋め込む手術で骨折は回復し、競走馬としてはそのレースで引退となるもその後も健康を保ち21歳まで生きた。
助かった理由をたまたま偶然とか精神論で済まさず、こうして競馬の歴史から引っ張ってくるところが本当に偉いと思う。さすがに泣いたりはしなかったけど、なんだか喉が痛い。
ひっそりと何やかんや