オーバーロード

2期も11話まで放映され残り2話となるこの作品は、前作と同様に今期最も続きが楽しみだった作品の一つ。
オーバーロードは作品世界中最も強力な陣営の内情が当初から明らかになっている。この世界でどれだけ強さを求めてもその先頭にいるのはあのナザリック以外をゴミ程度に思っている守護者達、人徳や寛容とは無縁の彼等なわけで、この世界で正義や平等が実を結ぶことはありえない。まずそういう前提があるので、色々解決して綺麗に終わる最終回を目指せるはずもなく、あとはもう有象無象がそれぞれ自分勝手にわちゃわちゃやるのを神の視点から俯瞰して楽しむしかない作品だと思っている。
現地の勇者達の活動は比較的テンプレ通りだが、2期から登場した王女様がイレギュラーな動きをするのが興味深い。またナザリックは最強故にどんな行動を取っても構わないというフリーオプションを手にしているため、周辺事態にどう絡んでいくか先を読み辛いのが面白さになっている。
2期はとりわけセバスの世話焼き振りが面白い。あれはNPCとしての設定がほとんど無いのを製作者の個性を真似ることで埋め合わせているのだと原作既読者のコメントで知った。そういう情報込みで楽しんでいる節があるので、アニメの情報だけで観ている人には案外オーバーロードは物足りない作品になるかも知れない。
大枠では戦い続けて影響力を拡大していくのに違いはないだろうが、ナザリックの行動原理に正義は含まれないので、誰とどういう理由で手を組んでいくか楽しみ。